what's your happiness?

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12/12(金)から15(月)までの4日間、でじでじするためにさっぽろへ行ってきました。

重すぎる女子デーに加えてさっぽろ遠征のお休み取るための連日の激務でさいあくなことに出発の朝3時にギリでタクシー帰宅と無理が祟り、一睡もしないで飛び乗った始発の中で強烈な眩暈→悪寒→冷や汗→吐き気に襲われて限界まで耐えた末に飛び込んだトイレでキャメロン死亡フラグ

そこからどうやっても立ち上がれなくて、ああもはや遠征どころではないよ…さよならしょうさん…ほんとにほんとに会いたかった…_(▰´﹃`▰。 」∠)_

 

とりあえず待ち合せてるおともだちにトイレの中から連絡しよう。「ひこうきに乗れません」って。「ごめんね」って。それできょうはとりあえず帰ろう。そして寝よう。明日元気になったらなにか方法を考えよう…

 

と、ココで気がつく。

 

ワタシガ オタカラチケット モッテル…? :;(∩°д°∩);:

 

トイレで泣いてる場合じゃない!這いずってでも空港に行って!キャン待ちでもなんでもして!今日中にさつぽろに着かなきゃいけない!愛すべきば担のおともだちを!ぜったいにあいばさんに会わせてあげなきゃいけない!

 

そこからのじぶんの行動力をほめたい(大迷惑かけといてほめられたことじゃないんだけど

 

襲ってくる吐き気の合間におじゃるを取り直して、動けるようになったら途中下車しながらも空港に向かって、なんとかギリにひこうきに乗り込んで、通路側にお座りの出張とおぼしきサラリーマンさんに体調が良くないので何度かトイレに立つだろうことを前もってお詫びして、当初の予定から遅れること30分でさっぽろの地にたどり着けたわたしってけっこうすごくない?じぶんがいちばんびっくり

懸念だった体調もとにかく寝ようと離陸前から爆睡だったのが功を奏したのかひこうきの中でトイレに駆け込むことはなく、ぎゃくになんだかかなりすっきりしてさっぽろに降りたって、着いたよっておともだちに連絡したら冷たいお水買って待っててくれててもう泣きそう

 

ば担の半分は優しさでできてるに違いないよ。゚(゚´Д`゚)゚。

 

いえを出るとき、チェックイン時間前にホテル着だからとりあえずスーツケースだけ預けて動くだろうことを想定して、手作りうちわとか双眼鏡とかあいぽんの充電器とか女子デー対策のロキソニンとかホッカイロとかをぜんぶトートに入れて手で持ってたはずなんだけど、メガネといっしょに籠ってたトイレの棚に忘れてきてしまったので、まずはメガネ作って双眼鏡を買ってクスリ屋さん探してっていう想定外の予定にもひきづりまわしてしまってほんとに申し訳なかったな…

 

そんな思いをしてやっと会えたひさしぶりのしょうさんはほんとにほんとにかっこよかったなあ。

キャメロン内のしょうさんだいすき!をいともかんたんに記録更新してくれました(毎年恒例

 

ここからちょっとネタバレするのでこれからの方は読んじゃダメです。

 

わたしはセトリも回避してたので、はじまる前に「あすたりすくとていくおふが見れたらもう思い残すものはない」っておともだちに力説してたらまさかの1曲目2曲目で、びっくりしすぎてダンスをまったく覚えてないダメなおたくだけど、つづいて3曲目にわんだふるですよ…この3曲で「取り直したエア代も買い直したメガネ代ももうモトは取った」って断言できるくらいかっこよかったよ…

 

それなのにいっしゅんでディスコスター様に心奪われてごめんなさい。しょうさんソロ出だしもぽややんとしてるくらい引きずってごめんなさい。

いやでも、あれはしょうがないと思うの。あのディスコスター様には抗えないよ…

振りつけてくださった方に全力でお歳暮送りたい。ほんとにありがとうございました。ぶぎうぎー♪ <( ‘◇‘)>

 

さとしくんとしょうさんのソロ曲は昨年のらぶが振り切れるくらいに好きすぎてアレをこえるのは正直ありえないだろうって思いながらアルバム聴いて、結果やっぱりそういう感想だったんだけど、 “Hello everyone. I'm Sho Sakurai.” からはじまるしょうさんの英語。わたしほんとに大好物だからあそこだけでも音源売ってくれませんか…

 

One...what's your happiness? 

Two...what are your dream?

Three...who's your real people?

スピーチで言ってた3つのクエスチョンってこれで合ってるっけ?_(┐「ε:)_ 

 

Jのソロ曲は過去さいこうに好きだったから楽しみにしてただけあってディスコスター様につづいてよかったです。

ふらいはーい♪ ┐(`∀´)┌ がかわいすぎた。

 

かずくんのソロはねえ、こんなにすきなんだからなんでデビクロくんの声(吹き替えね)くらいやらせてあげなかったのかって思うねえ(何

せめてツカヂ氏がやったおたくともだちの役とかダメだったんですか…

 

そういえばおとなりさんがタブーコスのいけめん男子で。

「しょうくーん!!!」という熱烈なラブコールを送りながらしょううちわを振る彼と並んで見たでじこんは格別でした

同担さいこう。ありがとう。 

 

しょうさんがさっぽろ最終日のあいさつで、言葉にはしてなくてもふぁんに対する気持ちは

わたしのこと好き?いいよそういうの…ねえほんとに好きなの?…うるせえなそういうのいいって…ねえ好き?…ああもう好きだよ…!ってやつです。ひとりでやるのしんどいわーw

というのが聞けただけでもわたしほんとに生きててよかったレベル

in his chart

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とても上質でいい映画だった。

惚れた欲目かなあ…と思わなくもないけど、純粋に心に沁み入るいい映画だったと思う。

 

初見は試写会。

ただただ不安で公開日までおとなしくしていられなくて観に行ったくらいだったので、観おわった直後はとりあえずホッとしたというのが正直なところ。

感想なんて語れるような冷静さはなかったし、2回目と3回目はぱぶびゅと言われるものだったからキャスト陣の言うポイントや隠しコマンド的なものをさがすのが目的のような観方をしてしまって、4回目にしてやっと物語として楽しめた気がするので、やっとこうしてじぶんのことばで残しておこうという気持ちになれたのかもしれない。

 

誤解を覚悟で言うと。

 

ベテランでもうできあがってる俳優さんは別として、役作りのきほんってどれだけじぶんの色を消して、その役の台詞やト書きにない部分…過去とか背景とかの色を足していけるかっていうそういう作業なのかなって思っているんだけど、しょうさんはまずさくらいしょうの色を消す作業がへたっぴで、本人も言っていたけど役者というジャンルに対してけっこう強いニガテ意識を持っていて、だけど上昇志向も強い負けず嫌いだから難しい役を選びがちで、どうにかニガテを克服しようとお得意の経験とデータで分析してなんとか攻略しようと試みる、という役へのアプローチの仕方が目に見えるんだけど、そうあたまで考えれば考えるほどじぶんの色を消せてないままに上からどんどん色を足しすぎて、結果すんごいがんばったのにただコスプレ…もっと言っちゃうとコントを見てるようなの違和感だけが残る、みたいな、そういう厄介な連鎖が多いように感じてて。

あたまで考えちゃだめだよーって貫田先生が言ってたでしょう?(それは医者の話)

 

特に前作の神カル1はほんとに素敵な作品なのに、わたしの中でそんなコスプレの違和感があたまの片隅からどうしてもぬぐえなくって、2を観るまで心配でしょうがなかったのはまさにそこだったんだけども。

もさくらいだろうがなんだろうが、ちゃんと役として成立してればありなんだと思うんだけども、なかなかむずかしいよね。

 

だから今回試写ではじめてしょうさんがさくらいしょうではなく栗原一止として存在しているのを観たときは、役者さくらいしょうの成長に泣けてしょうがなかった。

「しょうさんが“ふつうにそのへんにいるさえない医者”に見える!」ってまずそれだけで泣けたなぁ。

謎Dの影山はまさしく執事のコスプレだったけど、しょうさん自身を消す必要があまりない方向の作品だったからうまくカチッと役がはまったと思うんだけど、そこから一歩成長させていただけたのはかぞくげーむのおかげかなと思うと、関わってくださったスタッフの皆様ひとりひとりに菓子折り持ってお礼に回りたいくらい感謝してます(重

 

エントリタイトルは『神様のカルテ2を語る』なのに役者さくらいしょうを語っちゃったな。

だけどそれで十分じゃないかってくらい大きな出来事だったんですわたしにとって。

 

でもそれじゃあんまりなので物語にも触れてみます。

 

冒頭は一面の銀世界の雪山に佇む一止と榛名。

「イチさんの悪いくせです。苦しいときにかぎって私の存在を忘れてしまいます」そう呟いて消える榛名。

ん?と思っていたらそれは当直で仮眠中の一止の夢の中というオチ。

そこを急患を告げる電話で起こされ、仮眠もそこそこに真夜中の急患の待つまさに戦場へ向かうシーンへとつながる。やっぱり引きの栗原は健在。

一止の文語調の話し方は相変わらずだけど、救急外来の処置室での動きや看護師への的確な指示、救急隊員との雑談すべてに余裕が感じられてここでもう感動。

 

「クロス取って輸血RCC4単位オーダー」

ここ、かっこよすぎて死ぬかと思った(まがお

 

変ったといえば御嶽荘に新しい住人 通称屋久杉くんが入っていて、一止が病院に詰めている間にすっかりハルに恋しているのがおもしろかった。

2週間ぶりに戻った一止を「へえ…これが旦那さん…」っていう値踏みするような目が何とも言えない。

 

本庄病院はというと事務長が改革を推し進めていて、雰囲気がちょっと変わってきてる。もっと効率よく合理的に。医療はビジネスです、といったところかな。

そんな退屈そうな会議の席上で東京の有名大学病院に就職しエリートだったはずの大学時代の親友・進藤辰也が本庄病院に血液内科医として赴任してきたことを知る。

「タツ!」ってうれしそうな一止がかわいい(デレ

そんなタツには千夏という妻がいて、一止とタツの大学の医学部の後輩で当時の一止の想い人だった模様。

 

でもエリート医師だったタツが何もなくて都落ちみたいなことするわけなくて、一止が知っていた「医学部の良心」と呼ばれるようなかつての親友ではなくなってた。

定時なると患者も仕事も全部放り出して帰る。病院からの電話には出ない。時間外であれば担当患者の臨終にも立ち会わない。

すぐには信じられなかった一止も、看護師たちが患者の状態を涙目で訴えているのを振り払うように帰り仕度しているタツのあたまにコーヒーをかける。

 

「看護師たちに事情を説明してから帰るか、患者の元に顔を出してから帰るか、いずれかを選びたまえ」

 

で、次の日なのかなあ。わたし同期の看護師 東西と一止の関係性がすごく好きなんだけど!

 

「なに考えてるのみんなのまえで進藤先生にコーヒーかけるなんて…」

「お前がいればああはならなかった」

「せっかくいままでわたしが穏便にまとめてたのに…」

 

看護師が泣きそうなのに耐えかねてつい間に入った一止もやっぱり友達にコーヒー掛けてしまったことには自己嫌悪していて、そんなときに一止が愚痴る…というかこういうふうに甘えるのって病院では東西で、この共に戦う同士っていう感じがほんとうに良くて、何度観てもほっこりするのがこの怒られてるシーン。

 

そういえばこのシーンの最後に東西にむかってまた「わたしもまた妻のある身で…」って言いいかけると東西はもうそこにはいないっていうおなじみのコントがあるんだけど、振り向いた一止の前に立ってた清掃員の方はおばさんですかおじさんですか…?(小声

 

そんなある日、一止の上司でもある貫田先生が倒れる。

廊下で倒れている貫田先生を見つけたのは一止で、そのとき読んでいた小説が志賀直哉の『和解』というのが一止というひとをよく表しててさすがだなと思った。

 

過労だろうと思いますが、と駆けつけた貫田先生の妻・千代に詫びる一止。

「なんで謝るの?」とにっこり笑い、一止と同じように、というより一止よりもずっと長い間、家族を犠牲にして医療に向き合っていた貫田先生を理解し、ずっとそばで支えてきた千代の言葉が沁みる。

 

「こんなことになって正直ホッとしてるの。ずっと走り続けてきたひとだけどおかげで少しはゆっくりできそうね。でも皮肉なもんねえ。やっと手にした時間が病院の中だなんて」

 

ある日高熱を出した子供が運ばれてくる。保育園に預けていたタツと妻・千夏の子供の夏菜だった。

そこで一止はやっとタツが千夏を東京に残し、ひとりで子供を連れて実家のある松本に戻ってきたことを知る。千夏も難病の患者ばかり扱う最先端の大病院の小児科医になっていること。夏菜を産んで仕事復帰したら、ものすごい勢いで進化してる病院で追いつくのがやっとだったこと。そんな追い詰められた状態で体調を崩して、1日だけ休んだ日にかぎって担当していた患者を死なせてしまったこと。それが原因でチームから外されて以来、着替えを取りに戻る以外はたとえ夏菜が寝込んでも自宅に戻らないくらい人が変ってしまったこと。

 

「そんな千夏を見て、まわりは立派なお医者さんですねって言うんだ。立派な医者ってなんだ?お前がいつも病院にいるってことは、その間ずっと家族のそばにはいられないってことだ。栗原…、夫婦って何なんだ?」

 

その悲痛の訴えに、一止にはもう何も答えられない。

 

実はわたしは親戚の中に石を投げたら医療従事者にあたるような環境で育ったんだけれど、あたまがいいのはわかったけどひととしてそれはどうなのって言いたくなるひとたちだらけで、医者なんて人種は信じないってもう完全にあきらめてたくらいなんだけど、でももしも一止や千夏みたいな医者がそばにいたらどんなに心強いだろうと思う。

でもそんな医者にも家族がいて、医者としてではなくただ夫として妻としてひとりの家族としてそばにいてほしいと願う気持ちも理解できる。

医者だけでなく警察官や自衛隊消防官のような立場のひとが公私のどこで線を引くか、ほんとに難しい問題。

 

タツの状況を知って周りの対応も変わってくる。

あーよかったなーと思ったのもつかの間、過労だと思っていた貫田先生が実は悪性リンパ腫(血液の癌)とわかり、血液が専門のタツが主治医となる。

信濃医大に移るよう説得してほしいという、同期の貫田先生を思う高山教授がほんとうに懐の大きな方だったので、以前かずくんにドッキリでHOMOを装ったことは忘れてあげます。

 

さすがの千代も精神的にショックが大きくて、着替えを取りに行ったもののすぐには病院へ足が向かず逃げるようにハルのもとにやってくる。

その千代がハルに着物を贈って(たぶん自分が若い頃に着ていたもの)着付けてあげるところがあるんだけど、ここしょうさんも言ってたけど優しくて素敵なシーンです。

このふたりも同士なんだよなあ。

 

いまさら信濃医大には移らない。という貫田先生。

それを一止から聞いて「今日は医者の顔で来てしまいました」と言って会わずに黙って帰っていく高山教授が本当に素敵な友達。

 

ちなみに貫田先生が「治療は2,3日待ってくれ」と言うので何をするのかと思ったら看護師が止めるのも聞かないで仕事してるんだけど、また倒れてしまう。病室に戻されて咽び泣く貫田先生が痛々しかった。

そして廊下でそれを聞いていただろう東西。偶然一止が通りがかったのをきっかけに看護師の顔に切り替えて中に入っていったんだけど、それがほんとにかっこよくてわたしは断然ハルよりも東西派です。

「やだよあんな変人」って東西に断られると思うけども。

 

東西が中に入った後に貫田先生の泣き声を聞いて病室に入れなくなってしまった一止は、抜け殻のような状態で御嶽荘に戻ってくる。

そのとき男爵は着物姿のハルをモデルに絵を描いていて、屋久杉くんは写真を撮ってるタイミングで、なにも言葉が出てこない一止にふたりは「こんなにきれいな姫に何かの言うことはないのか」って言うんだけどそれにもうまく返せなくて、でもそんな様子を見ただけですべてを察してハルは一止を抱きしめる。

 

タツが貫田先生に抗がん剤投与を始めてみたものの、もはや手を打ちようがないくらいに進行していた。

 

「こういうとき、ご家族がまいってしまうことがあります。眠れないとか体調不良を感じることがあったら、僕でも看護師でも、誰でもいいですからご相談ください。僕らスタッフが、全力で支えます。心残りのないよう、してあげたいこと、全部してあげてください」

 

余命を千代に告げるシーンのタツのゆっくりと語りかける声に泣けてしょうがなかった。優しい声なんだよなあ。前半のほうでタツを責めてた看護師が「進藤先生を誤解してました。あんなに優しい説明が出来る方なんて…」って言っていた理由がよくわかった。

 

屋久杉の天体望遠鏡を借りて星を見ながら、常念岳で星空を見たことがふたりの大切な思い出という貫田夫妻に、また山で星を見せてあげることはできないのかというハル。

街中でほとんど星が見えなくなっているのは365日消えない本庄病院の看板のせいだと気がついた一止は、タツや東西たちを巻き込んで1分間だけ病院中の電気を消し、去りゆく恩師夫妻に満天の星空をプレゼントすることを計画する。

 

あまりの星空に貫田先生があご外れそうなくらいあんぐり口を開けて呆然とするシーンがあって、その表情が如何にも貫田先生でコミカルなんだけど、逆にそれが余計にシリアスに見えるという名演技。

 

そして電気を消すところから頭上に星空が広がるまでの一連のシーンの映像と音楽の使い方、いま思い出しただけで鳥肌がたつほど素敵だった。CGと見間違うくらいの数の星も実際にスタッフが山に登って撮ってきた映像だと聞いて余計に感動。

 

そんな貫田夫妻を見届けて、ハルと夏菜が待つ当直室にタツが戻ってくる。

編み物をしながら夏菜を寝かしつけているハルに「こんなふうにそばで支えてくれるひとがいる栗原がうらやましい」というタツ。

 

「私も支えてもらってますから」

「当直ばかりの栗原に?ほとんど家に帰らないでしょう」

「山に登って苦しい時、いつもイチさんを思い出すようにしているんです。今頃イチさんも険しい道のりを登っているのだと思うと、気持ちがラクになって足も軽くなります。気持ちが寄り添うってそういうことですよね」

 

そばにいなくても気持ちは寄り添える、それは以前、千代がハルに教えた言葉。

それを聞いて、求めるばかりで自分から寄り添おうとする気持ちがなかったことに気がついたタツが千夏に電話をかける。

 

「いちばん追い詰めていたのは僕だったのかもしれない。千夏、君は大丈夫か?」

ものすごいセリフを要約してしまったけれど、タツが貫田夫妻と一止夫妻の夫婦のあり方を見ることで、「理解できない、するつもりもない」と頑なに背を向けていた千夏に対しての気持ちが少しだけ溶けていくという素敵なシーン。

 

当然ながら電気の件は問題となって、案の定事務長に呼び出されることになる。説明を聞こうともせず茶番と一蹴し、医療はビジネスだからと、仲間が死に逝くというのに治る見込みのない患者にかける時間はないと平然と話す事務長に、ついに一止は切れる。

 

「医師の話をしてるのではない!人間の話をしているのだ!我々は人間で、その人間が死んでいくのが病院という場所です。卑しくもひとりの人間が生死というものを語るのなら、そろばんも肩書きも投げ捨てて、その身ひとつで言葉を発するべきです」

 

貫田先生が亡くなる前、「こんな医療の底辺に未来はあるのか」という一止の問いに「未来はあるよ。栗ちゃん、進藤先生、君たちだ。あとは頼んだよ?」と、治療を遅らせて病を押して書き上げた33人分の神様のカルテを託すシーンがあるんだけど、やっぱり誰よりも先に自分の病状をわかっていたんだなあ貫田先生…

 

そういえば貫田先生が亡くなった時の死亡確認、ほんとうなら主治医のタツがするのが普通だと思うんだけど、ずっと貫田先生と志を共にしてきた一止にその役目を無言で譲るところもタツの本来の優しさを表してるいいシーン。

 

そしてそんな亡き恩師の気持ちをしっかり受け止めて、エンディングではさらに成長した一止がいて、そして夏菜のもとに千夏から届いたケーキは、先日のタツからの電話をきっかけにして殻に閉じこもって気を張っていた千夏がまた少しずつ家族と歩みよろうとしていることを表していると思うので、この夫婦も少しずつだけど修復に向かうんだろうなあと思えて、たぶんこの親友夫婦をそばで見ることで、子供が生まれた一止夫妻もひとつの家族としていい方向に変わっていくんだろうなあと思えるエピ。

 

余談ですが、いま子供が産まれたと連絡を受けて、一止が分娩室に走りながらみんなの前で一生懸命作ってた無表情からどんどんニヤケ顔が隠せなくなっていくっていう表情が、まるでハチクロの竹本が恋に落ちた直後のそれと同じだと気がついてしまって愛しさが増したわたしです。ああほんとに一止が愛おしい。

 

夫婦でいったら、一止とハルはまだ貫田夫妻のようにはなれていないけれど、友情としても一止とタツは貫田先生と高山教授には全然敵わないけれど、今回のことで成長していくだろう一止たちのこれからが楽しみでしょうがないので、続編あるといいなという期待をしています。どーんと構えてくれていた名優がいなくなってしまったのでその大きな穴を誰かが埋めてくれないと難しいだろうなとは思うけども。(映画を観てから読む気でまだ小説読んでないのでそのへんはわかってません)

 

まだ前売りで扇ができるくらいあるので、見直して手直しするかもしれませんが、一旦はこれでアップします。